高校最後のサッカーの試合だった。相手は去年の王者。試合前から、みんな少し緊張していた。
前半は完全に攻められていた。パスも通らず、守るだけで精一杯。何とかゴールは守ったが、勢いは完全に相手チームにあった。
後半、少しずつ流れが変わってきた。味方のパスが繋がりはじめ、チャンスも増えてきた。そして、後半終了間際、ついに同点に追いついた。
試合は延長戦に入った。しかし、延長前半の途中で、突然の雷雨。試合は一時中断となった。重たい空気の中、ベンチでタオルを握りしめながら、再開を待つ。「このまま終わらせたくない」と、誰もが思っていた。
雨が止み、試合は再開。残された時間はわずか。両チーム、全力で走った。そして、延長後半のラスト1分。ゴール前の混戦から相手のシュートが決まった。その直後、最後のホイッスルが鳴り、僕らの高校サッカーが終わった。
僕たちは、敗れた。
グラウンドに倒れ込む仲間の背中を見ながら、心にぽっかりと穴が開いたようだった。全力を出し切ったことに悔いはなかったが、やはり勝ちたかった。
単語 | N1の漢字 | 意味 |
---|---|---|
王者 | champion | |
緊張する | to get nervous | |
攻める | to attack | |
精一杯 | with all one’s best | |
勢い | momentum | |
間際 | just before | |
延長戦に入る | to go into overtime | |
突然 | suddenly | |
一時中断 | suspended temporarily | |
握りしめる | to clench / grasp tightly | |
わずかな | slight | |
混戦 | close contest | |
敗れる | to be defeated | |
倒れ込む | to fall down / collapse | |
心にぽっかりと穴が開く | to feel like there’s a hole in my heart | |
悔いがある | to have regrets |